肺炎は細菌やウイルスなどが、からだに入り込んで起こる肺の炎症です。症状としては、発熱、咳や痰、息苦しさや胸の痛みなどがあげられます。
からだの抵抗力(免疫力)が弱まったときなどに感染を起こしやすく、普段、元気に暮らしている方でも、持病の悪化や、体調不良などをきっかけに、感染する可能性のある病気なのです。肺炎が重症化すれば、死に至ることもあります。
また、日常でかかる肺炎の原因菌で最も多いのは、「肺炎球菌」です。
肺炎球菌など、肺炎の原因となる原因菌は、季節を問わず存在しています。
もちろん、風邪や季節性のインフルエンザがきっかけになる場合もありますが、基本的に肺炎は時期に関係なくかかる可能性がある病気です。
肺炎は、かぜと勘違いしやすい病気!
65歳以上の方がかかることのある感染症の1つが肺炎です。
主な症状は、せき、発熱、たんなど、かぜの症状と似ているため、肺炎はかぜをこじらせたもの”と考えられがちですが、肺炎とかぜは違います。
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症状 |
熱 |
原因菌 |
期間 |
かぜ |
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38℃くらいまで |
主にウイルス
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数日~1週間くらい |
肺炎 |
- せきをすると胸にするどい痛み
- 熱、悪寒、息切れ、せき
- 全身のだるさ
- 黄色~緑色や鉄さび色のたん
- 顔やくちびるが紫色
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38℃以上の高熱 |
主に細菌
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長く続く |
予防法とは
1.規則正しい生活
不規則な生活やストレス、疲労などは、免疫力を低くします。日頃から規則正しい生活を送り、十分な休養と栄養バランスのとれた食事を心がけましよう。
2.人混みを避け、家に帰ると手洗いうがいをしましょう
肺炎の多くは、かぜやインフルエンザにかかったあとに起こります。
まずは、かぜやインフルエンザにかからないよう、うがいや手洗い、マスクなどの予防をしっかり行いましょう。インフルエンザワクチンの接種も有効です。
3.早めに受診する
肺炎は、早期発見・早期治療が何より重要です。高熱や咳が続いたり、黄色っぽい痰が出る時は肺炎が疑われますので、できるだけ早く病院・診療所を受診し、適切な治療を受けて下さい。
4.誤嚥(ごえん)に注意を
高齢者の方は、食事中に口の中のものが気管に入りやすくなり、誤嚥性肺炎を引き起こすことがあります。誤嚥性肺炎は、重症化することが多く、日本人の死因の第三位になっています。
5.慢性疾患の方
糖尿病や腎不全、肝硬変など慢性の病気を持っていると、全身の免疫力が下がったり、微生物に感染しやすくなったりするため、肺炎になりやすくなるといわれています。治療をきちんと受け、日頃から健康管理に気をつけましょう。
6.ワクチンを接種する
感染を予防するワクチンがあります。高齢者や慢性の病気を持っている方は、医師に予防接種の相談をしてみるのも良いでしょう。
ワクチン接種で予防を!
細菌やウイルスに感染し、感染症にかかると、その病原体に対する抵抗力が体内に生まれます。
この原理を応用したのがワクチンによる予防接種です。
病原体の毒性を弱めたり、無毒化したものがワクチンで、ワクチンを接種すると、実際には病気にかからなくてもその病気への免疫ができ、病原体が体内に侵入しても発症を予防したり、症状を軽度ですませたりすることができます。
一度接種すると5年間は効果があるといわれています。
厚生労働省より平成26年10月1日から、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。
平成26年10月1日から平成27年3月31日までは以下の方が対象となります。
対象者 |
生年月日 |
65歳となる方 |
昭和24年4月2日生 ~ 昭和25年4月1日生 |
70歳となる方 |
昭和19年4月2日生 ~ 昭和20年4月1日生 |
75歳となる方 |
昭和14年4月2日生 ~ 昭和15月4月1日生 |
80歳となる方 |
昭和9年4月2日生 ~ 昭和10年4月1日生 |
85歳となる方 |
昭和4年4月2日生 ~ 昭和5年4月1日生 |
90歳となる方 |
大正13年4月2日生 ~ 大正14年4月1日生 |
95歳となる方 |
大正8年4月2日生 ~ 大正9年4月1日生 |
100歳となる方 |
大正3年4月2日生 ~ 大正4年4月1日生 |
101歳以上の方 |
大正3年4月1日以前の生まれ |
また、60歳から65歳未満の方で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方も定期接種の対象となります。
接種希望の方は事前に予約をおすすめします。
対象年齢の方
- 高松市より「成人用肺炎球菌予防接種のお知らせ」が送付されています。
- 接種される際は、同封されている予診票を必ず持参して下さい。
- 自己負担金 2,400円
※平成26年度市民税非課税世帯の方は、予診票に「自己負担金なし」と記載されています。
対象年齢の方の予防接種は住民票のある高松市にお住まいの方のみの取り扱いとなります。
高松市外にお住まいの方は、住民票のある市におたずね下さい。
接種対象者の方で詳しくはこちらをごご覧下さい
(高松市保健センターホームページ)