漢方薬は、いくつもの生薬を組み合わせて作られた薬です。
「漢方薬」は、薬として効くことが知られていた生薬(自然の植物や、動物、鉱物など)を、いくつも組み合わせた薬です。
漢方薬の歴史は古く、世界四大文明の一つ・中国(漢)が、数千年の年月をかけて、患者様の症状に合った生薬の組み合わせ(処方)を生み出しました。
それをもとに、日本の現状に合わせて発展させてきたのが、漢方薬です。
小さくきざんだ生薬を煎じてのむ、伝統的な煎剤薬もありますが、今、わが国で広く使われているのは、煎じ薬を乾燥させてアルミパックに入れ、持ちやすく、また飲みやすくしたエキス剤(医療用漢方製剤)です。
※ちなみに、中国では日本の漢方薬に相当するものを「中薬」と呼んでいますので、中国で「漢方薬」といっても通用しません。
漢方の基本的な考えからは、ひとが持っている病気を治す力を高めることです。
よく「漢方」イコール「漢方薬」と思っている方がいますが、漢方薬は漢方医学という東洋医学の一部で、ほかに針灸、養生、按摩、気功・太極拳なども、漢方医学の治療法です。
これらはみな、誰もがもともと持っている、病気と闘い、直す力(自然治癒力)を高め、体を整えることを基本にしています。
漢方薬は、一人ひとりの個人差を重視して、使い分けています。
そのため漢方は、病名で診断することだけでなく、患者様一人ひとりの体質や病気の状態を見きわめながら、最適な漢方薬を使い分けていく、いわゆる「オーダーメード」の治療だといえましょう。ですから、同じ病気でも患者様の状態によってのむ薬が違ったり(同病異治)、ひとつの薬がいろいろな病気に応用される(異病同治)こともあります。